昨年は独立して10年目ということで、過去の整理を主眼に本を出してきました。
その大きな理由は、私が独立したのが1997年。
ちょうど、バブルでピークを迎えた日本経済が、1990年から成熟期に入り、
それまでのおおらかな経営から、贅肉をそぎ落として生産性を高めるステージに
入っていました。
私のおりました外食産業も、まず、円高に始まる代替食材の開発による、
原価の低減、粗利益率のUPを行い生産性を上げました。
そして、雇用不安の時代背景を利用し、社員からアルバイト、パートへの転換に
よって生産性を高めました。
結果、収益構造を大きく変え、最初に生産性を高めた企業は、
高収益を手にしました。
そして、その余力を利用して、より大衆的な市場へ
便利さという切り口をもとに拡大していったのです。
このような時代背景と、女性の社会進出で、食の外部化がすすみ、食の大衆化が
実現しました。このときが、まさに、外食産業のピークとなりました。
私が独立した、1997年です。
さて、この年を境に、食の日常化はさらに「もの化」していきます。
コンビニやオリジン弁当のような中食です。
この中食の大量出店により、競争が激化、バブル崩壊後あった生産性の高い
企業の経営的な余力も、みんなが生産性をあげ、熾烈な競争―ラットレースに
なった結果、その維持が大変になりました。
もはや、お客さんの便利さよりも、企業が生き残ることのほうがプライオリティが
高くなったのです。
世の中はというと、バブル崩壊の1990年から続いていた成熟のステージが、
2005年くらいから次のステージに入ってきた予兆がみえ始めました。
私の友人中島セイジ氏は2005年から始まった2020年くらいまで続くであろう
ステージを「ジュクジュク時代」と名づけました。
ホリエモン問題や「偽装」などの「儲かればいい」の顕在化です。
売るものが無くなり、隙間を考えるあまり、禁断の果実を手を出してしまうものが
現れるようになった。そんなことを表している現象ではないでしょうか?
昨年、食についても偽装が世間を騒がせ、不安をかりたています。
私が、昨年、「行列ができる店はどこが違うのか」(ちくま新書)
で過去を振り返り本にしたのは、その過去の悪しき習慣を一回整理して、
そして、この15年間の手法と決別し、新たな方向性を考えていくことをテーマに
してきたからのです。
今の時代、非常に人気のあるものは何でしょう。
まず、最初にあげたいのが、有機野菜バイキングをはじめたティア、
本、CDなどを扱うビレッジ・バンガード、通販のオイシックスです。
これらには共通することがあります。
ちなみに、私が思うに、有機野菜バイキングは今年、全く売れない店と、
これからもいける店に分かれると思っています。
次にスターバックス、ニューヨークグリル、ダイソー・・
そして、下北沢、ブログ・・
実は、これらに共通することは「女性」です。
「ジュクジュク時代」に収益をあげる企業の要素はいくつかりますが、
今回の本では女性に指示されないといけないということを書いたわけです。
それが、今年の3月15日に出版の
「女性リピーターが収益を呼び込む―繁盛力」(WAVE出版)
です。
今年はこの内容を目玉に、みなさまにお役立ちになるいろいろな講演を行います。
感謝合掌 大久保一彦